出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
漢字
字源
- 会意。「日」(太陽)+「囗」(土地)、太陽が地上に登るさまを象る[字源 1]。「あさ」を意味する漢語{旦 /*taans/}を表す字。
- 太陽(日)が地平線(─)から姿を現すさまを象るという説があるが、これは楷書の形に基づいた誤った分析である。甲骨文字の形を見ればわかるように、「旦」の下端の横線は「囗」に由来するため地平線とは関係がない。
- 会意(OC/*tˤan-s/)。最新の知見では「日」+「丁({頂}頭の象形)」。頭上に日が昇る様を象る字。[字源 2]
- 下部の四角や丸などで表される部分は「丁」であるという説。「丁」は{頂}の表意字で頭の象形。丁#字源、正#字源、天#字源も参照。
「丁」を声符とする説(于省吾)があるが、「旦/*tˤan-s/」と「丁/*tˤeŋ/」で声(韻)が合わない。
- 「廛/*[d]ra[n]/」の楚文字の形は「⿸厂⿱旲土」で「厂」+「土」+声符「旲」から成り、「旲」は/*TAN/の声を持つことがわかる。[字源 3]
その「旲」は「日」+「大(人の正面形)」で、「大」の頭を強調した形「天」の甲骨文字の異体字から「旦」字が分化したと考えられる(画像参照)。
「旦」の演変
<参考文献>
- ↑ 謝明文 「釈甲骨文中的“叔”字」 『出土文献研究』第十二輯 中国文化遺産研究院編、中西書局、2013年、4-5頁。
- ↑ 周忠兵《釋金文中的“觶”》『古文字研究』第30輯 2014年
- ↑ 周忠兵《釋金文中的“廛”》『出土文献』第十二輯 2018年
語源
- チェパン語 दारःदो darʔ.do (日の出の場所、東方)と関連する可能性がある[語源 1]。
- ↑ Axel Schuessler, ABC Etymological Dictionary of old chinese, University of Hawaii Press, 2006, p. 205.
文字情報
字典掲載
康熙字典 |
489ページ, 3文字目 |
諸橋大漢和辞典 (修訂第2版) |
13734 |
新潮日本語漢字辞典 (2008) |
4523 |
角川大字源 (1992) |
3798 |
講談社新大字典 (1993) |
6369 |
大漢語林 (1992) |
4411 |
三星漢韓大辞典 (1988) |
850ページ, 1文字目 |
漢語大字典 (1986-1989) |
2巻, 1483ページ, 1文字目 |